① はじめに
正論が通らなくなる背景については、
親族経営に特有の構造として、以下の記事で触れています。
親族経営の現場では、
「少しくらい身内を優先しても問題ない」
という判断が繰り返されることがあります。
一つひとつは配慮のつもりでも、
それが積み重なると、
現場の流れは確実に歪んでいきます。
問題は、
誰かが得をすることではありません。
仕事の基準そのものが曖昧になることです。
② 身内優先は「例外」として始まる
最初は、
あくまで例外対応として始まります。
- 今回だけ
- 家族だから仕方ない
- 話が早いから
こうした判断は、
一見すると合理的に見えます。
しかし現場では、
その「例外」が
次の判断基準になっていきます。
③ 業務相談が「家族の会話」で処理されると何が起きるか
親族経営の現場では、
業務上の相談が、
いつの間にか家族同士の会話レベルで
処理されてしまうことがあります。
仕事の話をしているはずなのに、
- 記録は残らない
- 判断の理由が共有されない
- 話した内容が業務として整理されない
それでも、
「話は通っている」という
感覚だけが残ります。
家族としての会話であれば、
それでも問題はありません。
しかし業務として考えると、
この状態はかなり危うい。
業務相談が業務として扱われないと、
判断の基準は
個人の感覚に依存します。
結果として、
現場の人間は
「何をもって決まったのか」
「次はどうすればいいのか」
を把握できなくなります。
これは身内を優先したからではなく、
業務の話を業務の場に
引き上げられていないことが
問題の本質です。
④ 現場が止まる本当の理由
身内を優先する判断や、
家族の会話レベルでの処理が重なると、
現場では次第に
考えることがリスクになります。
- 基準が見えない
- 説明がない
- 判断の背景が分からない
この状態では、
自分で判断するより、
様子を見る方が安全になります。
止まるのは作業ではなく、
判断と思考の方です。
⑤ 親族経営で起きやすい構造
この問題は、
誰かの性格や悪意の話ではありません。
親族経営では、
- 家族関係と業務判断が重なりやすい
- 説明や合意形成が省略されやすい
- 不満が表に出にくい
といった構造があります。
その中で、
業務相談が業務として扱われない状態が続くと、
現場は「考えない方が安全」な場所になります。
⑥ まとめ
身内を優先すること自体が、
すぐに問題になるわけではありません。
問題は、
それが繰り返され、
判断の基準として固定化されることです。
現場が止まるのは、
能力が足りないからではなく、
判断の軸が見えなくなるからです。
この構造を理解することが、
不要な摩擦を減らす第一歩だと思います。
※本記事は特定の個人・企業を批判する目的ではなく、
親族経営・事業承継の現場で起きやすい
構造的な問題を整理したものです。
※現在、親族経営・事業承継の現場整理に使える
思考整理用のテンプレートやチェックリストを準備中です。

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