親族経営でルールが形骸化するプロセス

① ルールがあるのに、なぜ守られなくなるのか

親族経営の現場では、
「ルールはあるが、実質的には機能していない」
という状態が珍しくありません。

守られていないわけでも、
最初から意味がなかったわけでもない。
それでも、
いつの間にか
「あるだけの存在」になっていく。

この違和感は、
誰かが意図的に壊した結果ではなく、
ごく自然な流れの中で生まれます。


② ルールは「必要性」から作られる

多くの場合、
ルールは現場の必要性から生まれます。

  • 業務を滞らせないため
  • 判断基準を揃えるため
  • 誰かに負担が偏らないようにするため

つまり、
ルールそのものは
合理的で、正しい目的を持っています。

少なくとも作られた当初は、
「守る意味」が
はっきりしていたはずです。


③ 例外対応がルールを静かに削っていく

形骸化は、
ルールを破った瞬間に起きるわけではありません。

  • 今回だけ
  • 忙しいから後で
  • 身内だから融通を利かせる

こうした例外対応が、
少しずつ積み重なっていきます。

問題なのは、
例外そのものではなく、
なぜ例外なのかが共有されないことです。

理由が語られないまま例外が増えると、
ルールは「守るもの」ではなく、
「都合によって変わるもの」になります。


④ ルールが「説明されなくなる」と形骸化する

親族経営では、
業務上の判断や相談が
家族同士の会話レベルで処理されがちです。

その結果、

  • なぜこのルールがあるのか
  • どこまでが例外なのか
  • 次はどう判断すべきか

といった説明が、
業務として残りません。

話は通っている。
関係者も納得している。
しかしそれは、
家族内で完結しているだけです。

業務として説明されないルールは、
現場にとっては
「見えないもの」になります。

身内を優先する判断や、業務相談が家族の会話レベルで
処理されることで現場が止まっていく構造については、
以下の記事でも整理しています。


⑤ 形骸化したルールが現場に与える影響

ルールが形だけ残ると、
現場では次のような変化が起きます。

  • 守っても評価されない
  • 守らなくても咎められない
  • 判断基準が人によって変わる

結果として、
現場の人間は
「考えるより様子を見る」
という選択をするようになります。

止まるのは作業ではなく、
判断と思考です。


⑥ ルールを守らせる前に必要なこと

ルールが形骸化したとき、
よく取られる対応は
「守らせること」に意識が向きます。

しかし本当に必要なのは、
罰則や監視ではありません。

  • なぜこのルールがあるのか
  • どこまでが例外なのか
  • 業務としてどう扱うのか

これらを、
業務の言葉で説明し直すことです。

ルールを作り直す前に、
まず
業務として扱われているかどうかを
見直す必要があります。


※本記事は特定の個人・企業を批判する目的ではなく、
親族経営・事業承継の現場で起きやすい
構造的な問題を整理したものです。

※現在、親族経営・事業承継の現場整理に使える
思考整理用のテンプレートやチェックリストを準備中です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました